Roland Life Mag:ローランド・ライフ・マグ
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モノフォニックのアナログ・
シンセサイザーにギターを
つなげて音を出していたことも

 バンド・エイジ第3回は、ギター・シンセサイザーを駆使し実験的なサウンドをクリエイトしているわたなべひかるさんにご登場いただきました。わたなべさんのギター・シンセサイザー歴は20年以上。現在もVギターVG-99やVG-88、GR-1といった以前のVギター/GRも使用中で、その知識の豊富さにも驚くばかり。そのわたなべさんに、ご自身がクリエイトする音楽について、ギター・シンセサイザーについて、お話を伺いました。

 「中学生の時にYMO、坂本龍一さんの音楽にとても衝撃を受けました。当時フォーク・ギターで小椋佳さんの曲をコピーしてたりしていたのですが、YMOの音楽はギターでは絶対にできませんでした。コピーできる音楽と好きな音楽は違うということを強烈に感じてしまいました。そこで、ギターでいろいろな音が出せれば、と思ったのが根源的なスタートです」

 それで、すぐにエレキ・ギターを始めたわけではなく、ドラムでバンドを始めたのだそうです。

 「高校生の時YMOをコピーしたくてドラムを始めました。そのあと友達とバンドを組んで、クイーンやホール&オーツ、カジャグーグーなど当時の高校生がコピーしそうなレパートリーをやりました。エレキ・ギターを買ったのは18〜19歳の頃です。エレキ・ギターを買って友達にカッティングやミュートなどの基礎を教わりました。同時にアナログ・シンセも買って、それにギターをつなげて音を出したりしていました。最初からギター・シンセをやっていたことになりますね」

 当時のアナログかつモノフォニックで、パッチ・ケーブルで音作りをするようなシンセサイザーに、自分で工夫してギターをつなげて音を出していたそうです。その当時からギターでシンセサイザーを鳴らす、しかも自力でやっていらっしゃったというのには驚きました。また、当時からエフェクターも自作していたということです。
 現在活動されているSFHという3人組のユニットについて伺いました。


 「2002年の8月に始めました。90年代後半からいわゆるラップトップ・ミュージックが出始めて、PCとシーケンス・ソフトを使ってライブをする人が出始めていました。そこで大学時代の先輩に『もう一回音楽やりませんか? ついてはこういうアイデアがあります』と誘ってみたところ『それはいいな』という話になって始めました。
 当時、ブラジル音響派というジャンルがありました。ボサノバっぽいようなエレクトロニクスのようなゆるーい感じの音楽です。そういう音にループさせたギター・シンセを合わせたら楽しいんじゃないか、というアイデアでした」

 わたなべさん、SFHのクリエイトする音楽はポップスではありません。決してとっつきやすい音楽でもありませんが、ギター・シンセサイザーを使った音楽の楽しみ方を教えてくれているような気がします。「それはいいな」「楽しいんじゃないか」から展開していくギター・シンセサイザーの無限の楽しみ方を実践するわたなべさん、SFHの音楽こそ、年齢、国境、言葉に関係なく楽しめる音楽なのかもしれません。

わたなべひかるさん

20年の音楽活動歴をもち、幅広いジャンルで活動中のユニット、SFHに所属するサウスポー・ギタリスト